鹿苑寺と慈照寺

ある用務員の鹿苑寺と慈照寺のレビュー・感想・評価

ある用務員(2020年製作の映画)
3.4
阪元裕吾監督作品ですが、脚本は別の方。極道系の作品を多く書かれているようで、本作を観ると「最強殺し屋伝説国岡」や「ベイビーわるきゅーれ」とはテイストが違ってシリアスで、コメディー要素は薄めであるけれど、伊能昌幸さん、伊澤彩織さん、高石あかりさんなど阪元さんの作品の常連と言っていい俳優さんたちが出られていてテンションが上がる。特に「ベイビーわるきゅーれ」でも見られる伊澤彩織さんと高石あかりさんのゆるい感じが良い。

福士誠治さんの寡黙で、言葉ではなく、行動で引っ張っていく様がかっこいい。

本作で特に意外だったのが、前野朋哉さん。びっくりしたなあ。ヘタレだと思っていたのに(まあ、ある意味ヘタレではあるけど)、最初にヤクザに拉致されたところは思わず「おおっ!!!」ってなった。やるじゃないか!!!「死に方選べる生き方してないでしょ」の台詞がめちゃくちゃ心に残る。好き。まあ、ヘタレであることには変わりはないんだけどね。本作は前野朋哉さんが唯一のコメディー要素で、面白かった。外で待機してるときのゆるいやり取りが好き。

本作は86分という短い作品であるから観やすいけれど、前半がアクションシーンもなく、かなりゆるく進行していくのが難点だったかなあ。あと、稲岡が数発打たれているのに死んでいなくて、その後も元気に格闘しているところと拳銃を持っているのにあえて打たなかったところが不可解。その後の展開があるからわかるんだけれど、打ったら終わりじゃね?と思ってしまった。

以下は個人的なメモ
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「死に方選べる生き方してないでしょ」

「ハッハッハ、死んでないじゃないですか」
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