今年、大島渚監督の作品が国立機関に収蔵されることになり、今回が最後の大規模ロードショー。
第二次大戦中のジャワ島。
日本軍による俘虜収容所を舞台に、日本軍軍曹ハラと陸軍大尉ヨノイ、イギリス人捕虜のロレンスとセリアズが、極限状態の中で奇妙な友情や感情をいだき、人間としての尊厳や死生観に葛藤する姿を描く。
言わずもがなだけど、テーマ曲である
「Merry Christmas, Mr.Lawrence」の力、激強。
ストーリーは初見だとちょっと分かりづらいし、セリフも聞き取りづらい部分が多々あるけど、あの音楽流されたら全て霞んでしまう。
そして30代の時の坂本龍一、デヴィッド・ボウイ、ビートたけしが放つ色気とオーラと被写体としての力も半端じゃなく、画面に奇跡が起きてる。
正直、坂本龍一もビートたけしも、演技は大根で不自然ではあるんだけど、逆にそれが、戦争という極限状態の中でおかしくなっている人間を表現しているみたいで、あまり違和感は感じなかった。
(内田裕也も出演してるのね)
たけし演じるハラ軍曹が言い放つ、
「メリークリスマス!メリークリスマス、ミスターローレンス」
この一連のシーンのハラ軍曹の表情、言い方、間の取り方、全て完璧だと思う。
そこにあの音楽が入ってきたら、自動的に泣いてしまう。
本当に映画史に残る名シーンだと思う。
ちなみに坂本龍一はこの映画の編集が全て終わって、そのラッシュを見てからあの曲を書いたらしく、
「これから曲を書くんだけど、どんな曲にすればいいかね」
って坂本龍一とビートたけしが会話してる40年前のラジオがYouTubeにあがってます。
映画の裏話とかもしてて面白いので、興味ある方はぜひ聞いてみてください。