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戦場のメリークリスマス 4K 修復版のmanaminieのレビュー・感想・評価

4.0
子どもの頃に両親が観ているのを隣で見ながら寝た、という断片的な記憶しかなく、今年のクリスマスまでにと思い、初めてじっくり観ました。

名作と言われるだけあって、登場人物たちの微妙な心情や奇妙な連帯感、組織としてのままならなさが十全に描かれていることが40年後の目にも伝わってきます。

戦争映画は宗教や人種が交錯する地点を描くので、制作者が意図しなくても差別意識や偏見があるとどうしても表出してしまい、後世から見るとキツイこともあるのだけど、この監督はちゃんと全員をひとりの人間として描いているんだと感じられて、信頼できる映画でした。
顔のアップが多いのもそういう意図なのかな。

「一人ひとりの日本人を憎むことはしたくない」というローレンスの台詞が象徴的。

とはいえ、軍隊口調のセリフやカタコト日本語/英語がまざるセリフは非常に聞き取りづらいし、坂本龍一のアイメイクが…とか、
当時30代のデヴィッド・ボウイが学生服を着るのは無理があるな…とか、細かい点は気になりました。

粗暴で学はないけど知恵がまわる軍曹だったところから、人間味を増し、最後は悟ったように英語を話すようになる、というハラが(他の登場人物の生き様と比べて)美しくないのに共感できて、北野武の演技よかった。
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