ユースケ

MAD探偵 7人の容疑者のユースケのネタバレレビュー・内容・結末

MAD探偵 7人の容疑者(2007年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

上司の退職祝いに耳を切り取ってプレゼントする刑事…コンセプトはゴッホが刑事になったら…

人間の内面が見える超能力を持った元刑事(ラウ・チンワン)が7人の人格を持つ殺人犯(ラム・カートン)を追うという漫画のような設定をリアルに成立させる力業。ジョニー・トーとワイ・カーファイの共同監督作品は何かがおかしい。でも、そこがいいんです。

とにかく、スーツケースの中に入って階段から落とされたり、生き埋めにされたり、ゲロを吐くほど食事したり、犯人の気持ちになり切るための常軌を逸した体当たりの捜査に徹する終始イカれっぱなしのラウ・チンワンの怪演がたまりません。

更に、犯人の持つ7人の人格が口笛を吹いてぞろぞろ歩くシーンや破れた鏡にそれぞれ映し出されるシーンなど、人間の内面を別人格として見せる超能力のビジュアルも素晴らしい。
幸せだった頃の妻(ケリー・リン)の人格と別れるシーンや置き去りにされた犯人の人格と出会うシーンは切ないし、犯人の女性の人格が立ちションするシーンはいろんな意味でシビれました。

いつかどこかで多重人格…誰もがみんな多重人格…