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アメリカン・ユートピアのピポサルのレビュー・感想・評価

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)
4.5
複数人でひとつの表現を作り出すことの喜び、そして演者と観客が一体になって生まれる高揚、この感覚すっかり忘れてた。ライブやコンサートに足を運ぶ機会はめっきりなくなり、まあライブがなくても死にはしないしなと自分に言い聞かせるように考えてたけど間違えていた。ないとダメだ。その場でしか得られない感覚がやっぱりある。
演者ひとりひとりが自分の担当領域を越えたパフォーマンスをしていることがこのショーが素晴らしい理由のひとつとして大きくあると思う。通常のライブは楽器をやるだけだけど、振り付けを覚えて視覚芸術も作り出す。マーチングやドリルが好きなのもこの理由なんだけど、プロフェッショナルがプロでない分野を練習して、本番を向かえて達成感を感じる。観客を満足させるならまずは演者が満足しなければいけないって昔教わったことを思い出した。もちろんデイヴィッドバーンの音楽も最高。失いかけていた感覚を取り戻したようで、ビジュアルが平沢進だなとしか思ってなかったけど劇場で観ておいてマジでよかった。
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