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クライ・マッチョのkojikojiのレビュー・感想・評価

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)
3.9
2021年 アメリカ 監督:クリント・イーストウッド-70.
2022.08.22視聴-383 評価3.9
●クリント・イーストウッド(マイク)

 身体はおじいちゃんになっている。しかし、役者としても、監督としてもまだまだしっかり若さは保っている。クリント・イーストウッドが表現したいものは、さらに磨きが掛かって、素晴らしい作品になっていると思う。衰えはない。
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 アメリカのテキサス州。孤独に暮らすマイクは、元雇い主からメキシコに住む息子ラフォを連れ戻してほしいと依頼される。半ば誘拐のような仕事だったが、マイクは渋々ながらも引き受ける。
 ラフォは闘鶏用のニワトリ・マッチョを相棒にストリートで生きていた。
 
 マイクはラフォを説得し、2人、テキサスへ向かう。その道中で次第に二人が打ち解け、ラフォが成長していく姿を描く、いわゆるロードムービー。 

 そして、最後の町で、マイクはこれからの生涯伴侶と知り合い、安住の地を見つける。
クリント・イーストウッドが求める「安住の地」。こういう暮らしこそ、人間が求める暮らしではないか!そんな声がする。

 この映画の一番好きなシーン。
マータの孫の一人が、実は聾唖なのだが、食事中、マイクの手を握るシーンがある。その暖かさがなんとも言えない。
 彼女の手の暖かさが画面から伝わってくる、その暖かさにマイクの孤独なこれまでの生活が雪解けのように溶けていく。素晴らしいシーンだと思う。このシーンを撮ったクリント・イーストウッドに拍手を送りたい。何気ないシーンだが、すごくいいシーンと思う。

 題名は「クライ・マッチョ」
 旅のもうひとりの連れのニワトリが「マッチョ」だ。このニワトリに向かって「鳴け!マッチョ」なのか?
西部の男マイク、マイクに憧れる少年ラフィ、共にマッチョだというシーンがある。マッチョは泣かない。しかし「泣いていいんだ、泣け!マッチョ」という意味か?
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