古き良きミュージカルの形式を踏まえつつ、後半ではポールキングらしい怒涛の伏線回収が楽しめる。ティモシーシャラメの見事な演技に関してはいうまでもなし。企業のカルテル化や弱者の搾取などに、ロアルドダールというか、イギリス映画特有の風刺が込められていて、奥行きの深さを楽しめる。
パディントンに比べ、規模は明らかに大きくなったがウォンカの母親役のサリーホーキンスの存在感に、監督の変わることのない優しさを確かめられるのがいいところ。
それにしても、ポールキングの作品は本当に隙がない。徹底的に映画のセオリーを踏まえていて、突っ込む隙も感じさせないが、その分冒険してないなと思う時もある。とは言いつつも、この優しくも端正な作風を長く続けて欲しいと思うところである。
キーガンマイケルキーの太っていく姿はベタだがなかなかよかった。