タカナリ

大怪獣ガメラのタカナリのレビュー・感想・評価

大怪獣ガメラ(1965年製作の映画)
3.5
昭和シリーズ第1弾。
北極にて、アトランティス大陸の伝説の怪獣ガメラが出現。北海道、東京にも上陸し、人々を恐怖に陥れる。

東映の「ゴジラ」に対抗して大映が製作した怪獣映画。昭和「ガメラ」は今回を含めて計7本作られたが、この作品は唯一のモノクロ作品。モノクロになった理由は、予算と人員が不足していたため。

登場怪獣はガメラだけで、突如現れたガメラの脅威に人々がどう立ち向かうかが描かれていますが、割と現実的です。
専門家の意見を聞き、軍がガメラを攻撃。現実的に可能な攻撃、設定上現在進行中の計画などを利用しています。
「シン・ゴジラ」好きな方は、この展開好きだと思います。
失敗を繰り返して、それでも徐々に打開策が見えていく感じはワクワクしました。
原爆に耐える身体という絶望感が凄かった。

疑問だったのが亀好きの子供。
亀が好きすぎて、学校にまで亀を持ち込み、友達よりも亀と遊ぶような子供なんですが、とにかく危ない。
ガメラに助けられたのが良くなかったですね。それによって「亀は悪くない」というのが助長されてしまい、ガメラ擁護の行動が過激になりました。
軍の作戦中にガメラに近付くとか正気の沙汰じゃない。
もっと痛い目見るべきだし、大人はもっと怒っていい。
この子供がいなくても正直話は成立します。なので、なんで子供の狂気的行動に時間を割いたかが分かりません。子供受けを狙ったんですかね。

最初のゴジラは戦後間もなく作られたため、恐怖と絶望がすごく伝わってきましたが、今回のガメラは恐怖と絶望は抑えられて、人間の奮闘がより描かれ、多少ファンタジーが加わっていたため、最初のゴジラより見易い作りになっていました。
ゴジラに対抗した作品ではありますが、ガメラの良さはちゃんと感じました。
2作目以降も見てみたくなりました。