鑑賞日:2022年4月9日
パンフレット:880円
「山あり谷ありのほうが、人生の景色は綺麗なんよ」
とりあえず、映画タイトルがエンドロール前に出る作品は名作という説は正しいと思う♪
今作もそれなので、めちゃくちゃ良き作品でしたー!!
子を持つ親の全てに捧ぐ…という感じですね。
阿部さん、北村さん演じる親子が時に微笑ましく、時にホロッとさせる演技が非常に素晴らしかった。
脇役陣の誰もが印象的な演技をしていましたよ。
映画は、昭和63年、東京行きのトラックの中でヤスが目覚めるシーンから始まります。
時を遡り、昭和37年…
ヤスの妻の美佐子が妊娠中のため、酒を断っていたヤス。
ヤスと美佐子は、ヤスの母親の墓参りに行った帰り…
美佐子が急に苦しみだし、病院へと運ばれる。
そして、美佐子はアキラを出産し、ヤスは喜びいっぱい♪
ある雨の日、成長したアキラはどうしても動物園に行きたく駄々をこねていた。
仕方なくヤスは美佐子とアキラを仕事場へと連れて行く。
そんな中、アキラが振り回していたタオルが重い荷に引っかかり、それを引っ張っているうちに荷が崩れ、助けようとした美佐子が下敷きとなり、そのまま亡くなってしまう。
男で一つでアキラを育てることとなったヤスは、周囲の人たちの協力を得ながら、暮らしていくことに。
小学校を卒業したアキラにヤスはついに母親の死の真相を話そうとするも…
それは真実ではなく、美佐子は自分を庇って亡くなったのだと嘘をつくのだった…。
ストーリーは昭和63年と過去を行ったり来たりしながら進んで行く。
そして、進むにつれて、時代は平成、令和となり、ヤスとアキラの親子関係を丁寧に紡いでいきます。
美佐子の死の真相を話せないヤスと、成長したアキラの反抗期…
もちろん周囲の人たちの助けもあったりと、いろいろなエピソードを織り交ぜていくので、観ていて飽きさせません。
不器用ながらも精一杯子育てをしていくヤスの姿は涙を誘いますね。
いつまでたっても、自分の子供は子供のままなんだと…。
そんなアキラもまた成長していくうちに父であるヤスの気持ちを感じ取るようになり、さらには自身も結婚を考えるようになって、一層まだ小さかった自分を育ててくれた父を考えるように。
2人の親子の絆が心に響くのなんのって。。
終盤は回想シーンを上手く織り込み、さらに涙腺を刺激してくる。
そして、物語がアキラの語りで綴られている理由も明かされますよ。
「父の嘘」…(涙)
さらにあのラストは素敵過ぎる!!
エンドロールで流れるゆずの「風信子」も良き余韻となりました。
そうそう、埼玉県民としては飯能という地名が出てきたのは嬉しかったな。