父母ともに癌

スーパー戦闘 純烈ジャーの父母ともに癌のレビュー・感想・評価

スーパー戦闘 純烈ジャー(2021年製作の映画)
4.5
もと戦隊ヒーロー出身者が集った紅白出場グループ・純烈が実は銭湯を守るヒーロー戦隊もやっていた、という話。

無茶苦茶面白かった。
「純烈」というグループが纏っている強いストーリーがそのまま映画世界にメタ的な魅力を付加していて、それがとても効果的だった。

最終的には純烈がファン(純子たち・烈夫たち)の力を歌で結集して、巨大化した小林幸子を倒す、という物語で、かなり熱い。
小林幸子の断末魔「私にも歌わせろ~」は痛快。

純烈の面々の演技は素晴らしいし、助演の面々も素晴らしかった。

勿論穴も多い。純烈に詳しくない僕からすると、やたらと下ネタを言うのとかはいただけなかった。若干引く。
アヒルの設定、敵の目的、セットの暗幕が見えすぎている、キーアイテムである指輪があまりに素早く見つかる。などの甘さはあった。あったけれどもそれが全く気にならない、その隙を愛せるくらいのパワーが純烈にある映画だった。

僕は30代の男だけれど、何度も泣いてしまった。

ていうか、僕はファーストシーンでビル群の間から巨大な純烈が登場する場面で、面白い、と思った次の瞬間にボロボロ泣いてしまっていました。なんなだったんだろう、不思議。

純烈の持つ多幸感が爆発していたと思う。

でも映画館じゃなかったら、あんなふうに感動していなかったと思う。
もしかしたら途中で見るのを辞めてしまっていたかもしれないし、途中で携帯をいじっていたかもしれない。
映画館という強制的な空間だからこそ、穴があっても見続けるほかなく、気持ちが持続して感動まで集中力が持続していく。
こういう感動の仕方をする作品こそ映画館で見るのがよいな、と思う。

純烈のことは大好きになりました。サービスのこころの塊だ。尊い。
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