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ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカットのシネラーのレビュー・感想・評価

4.5
念願であったザック・スナイダー監督による、
"ジャスティス・リーグ"を鑑賞。
正に『マン・オブ・スティール』、『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』に続く正統続編であり、
長いと思っていた4時間を感じさせない
内容だった。

物語自体は、劇場公開版の大筋と
劇的に変わっている訳ではないが、
それぞれのキャラクターの背景や
後続作品の為の描写がふんだんに
組み込まれていると言えるだろう。
サイボーグのオリジンを含めた描写が
大幅に追加されており、
特に彼とその父親の関係がより
深掘りされていて良かった。
一方のヴィラン側で劇的に違う点は、
やはりダークサイドの存在だ。
その登場によって、ステッペンウルフの
目的背景が明確になり、
巨大な敵がまだ待ち受けているという
シリーズ全体での大筋が表現されている
ようで良かったと思う。
アクションの見栄えは見事であり、
劇場公開版で違和感があった色彩も
訂正されていて、
やはりアクションの絵面は
ザック・スナイダー監督の手腕が
輝いていると感じられた。
終盤の対決部分に関しても、
よりそれぞれのヒーローが役割を担う
チームプレイな印象が強くなり、
特にフラッシュの活躍は劇場公開版と
別物の貢献具合だった。

追加場面に関して言えば、
バットマンとジョーカーの対面は、
やはり胸が熱くなる良い追加だった。
デスストロークとルーサーの会話もある
だけに、ベン・アフレックによる
バットマンの単独作が観たいと思った。
"バットマン(ブルース)の悪夢"自体は、
前作までと同様に意味が明らかになる訳
でもなく、映画的には削除されかねない
場面ではあるが、
大いに気持ちを盛り上げる場面に
仕上がっていた。
ジャスティス・リーグ自体への布石
として、マーシャン・マンハンターも
登場していて、良いファンサービスだった。

ザック・スナイダー監督が
ここまで描き通せたのは、
4時間に及ぶ上映時間の長さによる
恩恵の賜物ではあると思うが、
ファンへの期待や願望を見事に
叶える作品になっていて素晴らしかった。
このスナイダーカットを正史にしての
続編製作は無いとの事だが、
本作の流れを汲みながら伏線をしっかり
回収していけば、
MCUにも負けない壮大なヒーロー映画
になっていくと思えた。
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