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ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカットのpikaのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

3回目を無事に見終えたので感想をまとめる。
劇場版を最初に見たときから絶対にザック・スナイダー・カットは存在していると信じていたよ。
遂に見ることが叶ったスナイダー・カットは何度も見れる、何度見ても面白い大傑作でした😭

なんだかんだ劇場版も2、3回見ているが完全に別物。こっちを3回見てようやく劇場版の記憶が薄まってきた。大金をかけてザックの作り出した世界観をぶち壊して世間にも受け入れられなかったアホの中のバカ映画として話のネタに存在していてもいいかなとは思うけど、誰もが「ジャスティス・リーグ」と言えばスナイダー・カットを指して見て欲しいし、あれも「ジャスティス・リーグ」だって勘違いして欲しくないし、初めて見る人とかが「2時間の方があるしこっちが公開された版なら本編じゃん?」って見てしまう可能性があるなら抹消された方がいいかも。いや、されろ。


何よりもまず敵の説得力が。クソみたいなステッペンウルフから意味のある悪役へ昇華していて良かったねと泣いた。3つ目のマザーボックスがアホみたいに獲られた展開も説明づけられていたし。そういうちゃんとしたところにいちいちホッとして泣けてくる最高の完成版。

スローモーションの使い所もさすが。使うところと使わないところのセンスが絶妙。早回しとスローモーションの応酬で、キメ画の魅力とスピード感とヒーローである説得力のある強さを表現してる。
余計な台詞を排除して必要最低限の台詞でサラリと説明しているところもさすが画で語らんとするザック!!
会話も劇場版のようにバカなギャグの応酬なんてものはなく、ウィットに富んだジョークは雰囲気を作っていてむしろ魅力になっているし、少しずつ距離を縮めて信頼感を得ていくように構成された会話で、キャラ描写とストーリー展開を引き立てているし、それぞれ孤独に戦ってきたヒーロー達が何故団結するのかの必要性が伝わり、チームである意義にちゃんと繋がっていく安心感があった。

復活のシーンでクラークが一切喋らない演出もいい。その後育った家で自分を取り戻していく流れに綺麗にハマっている。蘇らせられてどうするかを決意する時に、自然と触れ合い愛するものと抱き合い、宇宙船で確認するあの流れだけで十分に語りきれていて素晴らしい。

箱の結合を阻止するためにヒーロー達が団結するというテーマもいい。長さが必要とはいえ、新規キャラの背景を短い時間(この濃さなら4時間でも短時間)で描ききって何故団結せねばならないのかを丁寧に見せてる。個々の能力にちゃんと必要性があって自分のできることをやりつつ互いに補い合って団結していく描写に説得力がある。大事よね。劇場版では一切なかったからホッと安心した。
単なるどつき合いじゃなく個々の強さがちゃんと分かるし、能力も説明されてるし、もうマジでアレ(劇場版)は何だったのか。。。
特にサイボーグやフラッシュは最強のスーパーマンですら到達できない能力を持っているからとちゃんと描かれている。
ただ心残りはバットマン。バットマンゆえの役割をちゃんと見せていたとはいえ、ザックの構想ではこれはスーパーマンの3部作であり、バットマンは次のJLで選択するとのことだから萌芽だけしか描かれていない。メインキャラだとこれが最後(「フラッシュ」で再演するらしい)なのにと思うと物足りなさは否めない。ベン・アフ=バットマンが大好きなんです。。ありがとう。ベン・アフ。ありがとうバットマン。ありがとうブルース・ウェイン。。

音楽もいい。キャラのテーマソングの使い方が絶妙っすな。場面に応じた音楽がスーパーかっこいい。リアルさを追求したヘビーな内容で多少残るコスプレしたヒーロー軍団という違和感をアゲアゲのかっちょいいアクション映画へと昇華してくれる音楽の存在はデカい。

MCUを見ていたがゆえに感じていた、なぜ単独映画を個々に作って団結映画をその集大成にしないのかと多少なりとも感じた部分が吹き飛んだ。
スーパーマンとバットマンのドラマである前提で、スーパーマンを失ったがゆえにブルース・ウェインが発起した理由から始まり、戦う理由がこの事件から始まるキャラがいたり、孤独だったヒーローが他のヒーローと出会ったがゆえとか、このタイミングである必要性のあるストーリーだった。
ちゃんとジェシーを出しているところも嬉しい。

ただ最高に楽しんだがゆえに悲しさも同時に襲ってきた。。エピローグの悪夢やら新キャラやら前作からの伏線やらザックの構想通りに描かれたありがたさの代償として、その構想が示唆する続編を見ることができない現実に直面させられる。ググったらインタビューやらでベラベラ話してしまったようで、そんなん話したってことはもう作られる可能性ないじゃんという絶望が。。
「BvsSジャスティスの誕生」のようなお遊びでもなく、スーパーマンの目覚めで描かれたvsスーパーマン以上にガチで最強と対決しなければならないという超スーパーミラクル面白そうな続編を見ることができないなんて、と思うと手放しで最高だと終われなかった。。それでもスナイダー・カットを見れただけありがたいことだけども。うぅ。。

エピローグのベン・アフのジョージ・クルーニー感や、カット割りまくり問題とか、ダラッと棒立ちしすぎだろいくらなんでも問題とか、何もそこまでスローモーションにしなくてもやりすぎじゃね?問題とか、その他にも色々気になるところはありますが、劇場版だけで終わらず、正真正銘のDirected by Zack Snyderを見れたので満足満点です。

2021.6.26(1回目)
2021.6.29(2回目)
2021.7.10(3回目)
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