ミサホ

フレンチ・イグジット さよならは言わずにのミサホのレビュー・感想・評価

4.2
ふわふわしていて、捉えどころがないのだけど、とても素敵な作品だった。ゆっくりテンポで、どこかファンタジーぽいのに、現実的なところと非現実的なところのバランスが良い。

おもしろかった。

フランシス(ミシェル・ファイファー)はお金持ち。けど、夫のフランクが亡くなったあと、破産する。

彼女には息子のマルコム(ルーカス・ヘッジズ)がいる。この母と息子の関係性は異様に見えるけど、不思議と嫌悪感はない。

そんなふたりのパリ🇫🇷でのお話。

本作の魅力を支えているのは、間違いなくミシェル(なんと65歳!)であろう。あ…ルーカスもめちゃくちゃいいよ。ぼぉ〜っとしてる感じがなんか可愛い。

フランシスはお金に固執しているようでそうではない。破産もどんとこい、怖くないで!という感じ。

黒猫🐈‍⬛のフランクと税関を通るための秘策がすごい。なるほど!と思ったよね。

フランシス(というかミシェル?)の一挙手一投足に魅入ってしまった。参りました。ゆったりとしていて実にエレガント。

年上の友人でこんな人がいたらいいな…という感じ。シニカルでドライ。裏表がなくて、上辺だけの優しさは振りまかない人。相手が気持ちよくなる言葉を並べ立てる人には警戒すべきだけど、フランシスにはそれがない。そこがいい。

凛としているのだけど、可愛くもある。

ホームレスのシーンとか、マルコムの彼女の元カレのシーンとか、一瞬いやな気持ちになりそうなところも、フランシス(いや…ミシェルか?)がすくいあげてくれる。

そんな彼女に魅了されながら、気持ちのいい時間を過ごせました。あ…この作品とあったかいお部屋、そしてハーゲンダッツの“ブリュレ ブリュレ ブリュレ”は相性抜群です。
ミサホ

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