ふわふわしていて、捉えどころがないのだけど、とても素敵な作品だった。ゆっくりテンポで、どこかファンタジーぽいのに、現実的なところと非現実的なところのバランスが良い。
おもしろかった。
フランシス(ミシェル・ファイファー)はお金持ち。けど、夫のフランクが亡くなったあと、破産する。
彼女には息子のマルコム(ルーカス・ヘッジズ)がいる。この母と息子の関係性は異様に見えるけど、不思議と嫌悪感はない。
そんなふたりのパリ🇫🇷でのお話。
本作の魅力を支えているのは、間違いなくミシェル(なんと65歳!)であろう。あ…ルーカスもめちゃくちゃいいよ。ぼぉ〜っとしてる感じがなんか可愛い。
フランシスはお金に固執しているようでそうではない。破産もどんとこい、怖くないで!という感じ。
黒猫🐈⬛のフランクと税関を通るための秘策がすごい。なるほど!と思ったよね。
フランシス(というかミシェル?)の一挙手一投足に魅入ってしまった。参りました。ゆったりとしていて実にエレガント。
年上の友人でこんな人がいたらいいな…という感じ。シニカルでドライ。裏表がなくて、上辺だけの優しさは振りまかない人。相手が気持ちよくなる言葉を並べ立てる人には警戒すべきだけど、フランシスにはそれがない。そこがいい。
凛としているのだけど、可愛くもある。
ホームレスのシーンとか、マルコムの彼女の元カレのシーンとか、一瞬いやな気持ちになりそうなところも、フランシス(いや…ミシェルか?)がすくいあげてくれる。
そんな彼女に魅了されながら、気持ちのいい時間を過ごせました。あ…この作品とあったかいお部屋、そしてハーゲンダッツの“ブリュレ ブリュレ ブリュレ”は相性抜群です。