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14歳の栞のcottonのレビュー・感想・評価

14歳の栞(2021年製作の映画)
3.7

14歳のそのまま、本音も捻くれた返しも、言いたくないの素直さも全部ひっくるめて今この瞬間に彼らが考えていること。

35人もどうやって紹介されるのか?とぼんやり見始めたけれど、自然に繋がっていく編集に時折入る短い映像もとても良かった。

携帯を持っていなかったあの頃、待ち合わせの約束はどうしてたっけとか、恥ずかしくて読まずに捨ててしまったラブレターのことを思い出した。「大人になっても忘れたくないことは?」の質問にあんな返しができる純粋さが素敵で、ずっと忘れないでいて欲しい。

当時、20歳の自分へ宛てた手紙の内容が読み返すのも嫌になるほどしょうもなくて、それがまた中学生らしく。戻りたいとは思えないけれど1番楽しいことも、1番苦しいこともこの時に感じていたような気がする。
悩んでは傷付いて、きっと傷付けもして、人を好きになって、理不尽な大人に不満を抱く。勉強と部活に打ち込み、あの子のように少し将来を諦めたりもしながら、先のことなんて何も想像できなかった。

やっぱり子供で、すごく大人に見えた彼らの抱える気持ちを聞きながら、中学生の自分は何を思って過ごしていたのかと考えると同時に、35人の彼らがどうか今を幸せに過ごしていてほしいと願った。
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