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14歳の栞の160のレビュー・感想・評価

14歳の栞(2021年製作の映画)
4.6
奇しくも舞台となった中学のある春日部に、今週帰った私が春日部駅に降り父親に放った最初の一言目は「春日部駅ってこんなにショボかったっけ?まあ私が大きくなったんか」だった(挨拶飛ばしてごめん父)。それぐらい私は成長した、し、未熟だった、し、まだまだ未熟。

私の5個あるうちの座右の銘の1つが「遠くから見れば大抵のものはきれいに見える(村上春樹様作品中より)」なわけなのだけれど、まさに26歳の私から見た14歳はそれはもう眩しくてあ、人って本能的に心のきれいさを感じるしそれにこんなにときめくのかプラトンの唱えたイデア論にやっぱり私は賛同するわ、ってワクワクしてそんなワクワクできる自分の心に酔いしれて多分隣に友達いたらその肩を5発は叩いてた。

私はとにかく昔から、いや今もだけれど自分に自信がなくて、臆病で、何者かになるのを恐れまくってたし何者かになりたがらなくて将来の夢を問われる場面に出くわすたびに「10代の私がなんで一生涯の道を今決めなきゃいけないんだ、まだ決めるには早すぎるんだよ」と大厨二病とも呼べる捻くれぶりで何者にもなろうとせず、何者にもなろうとしなかった結果、ジャニーズという他人を愛することで自分の存在意義を見出していた気がする(中島健人くんという一生尊敬できる人に出逢えたのは幸いだろう)。

そうして「会社員」という何者かになれたんだかなれてないんだかの中途半端なものになったいま、日頃からこうして何者かになった人や夢を追ってる人への敬意がほんとうに強いということを毎週末映画や本や個人経営の飲食店に通うことに時間もお金も惜しまない私を客観視して、感じる。むしろ企業の総合職なんて「己の何者でもなさをそういった夢や文化や作品に触れて感じ対価の金を払え」くらいに思っている。


最近はかっこいい大人ってなんだ?と考えることが多い。映画でも度々「こんな大人にはなりたくないなという像は?」という質問をされていたが、その質問にぎくっとした大人も多いのではないか。私の思うにそれには、「謙虚でいること」がひとつあると感じる。人はどうしても歳を重ねるとできることも多くなり傲慢になってゆくもので実際私も耳が痛い。ただそれを防ぐ方法があるとするなら、「下から学ぶこと」はひとつの手段なのではないか。そして、夢を持ち、挑戦し続け、壁にぶつかり「自分はまだまだだ」と思うこと。こうして自分を磨き続けてカッケェ60歳になっていたい。てか、なる。

明日は先々月から始めたピラティスの日だ!その前に日課の図書館に行って、中学生の子らを横目に勉学に打ち込もう。切磋琢磨、日々精進!
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