Sasada

PASSING -白い黒人-のSasadaのレビュー・感想・評価

PASSING -白い黒人-(2021年製作の映画)
3.6
常に白人になりすまして豊かになった女と、
あくまで黒人として生活を紡ぐ女。

偽り続けることに疲れ果て、夫が黒人へ向ける差別に動じないふりで摩耗するクレアの心。自らの幸せのためには、他者を傷つけてでも居場所を見つけるしかない。

黒人であることを嫌がおうにも認識させられ、夫との生活も少しずつずれ始めるイレーネの孤独。日常を侵食する脅威に、何らかを講じずにはいられない焦燥。

黒と白を意識するのは誰か。その肌の色が恐怖にさらされるのは誰か。モノクロで綴られる美しい映画。
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