九月

モンタナの目撃者の九月のレビュー・感想・評価

モンタナの目撃者(2021年製作の映画)
4.2
自分の判断ミスにより、三人の若い男の子を助けられず、また仲間まで失った過去の任務に大きなトラウマを抱える森林消防隊員のハンナ。
そんな彼女が偶然出くわした、父親の暗殺現場を目撃してしまったという少年コナーを連れ、大自然の脅威と迫り来る暗殺者から逃れようと命をかけて闘う。

邦題の『モンタナの目撃者』と原題『Those Who Wish Me Dead』では、見方が変わってくるかな、と思った。
邦題のイメージで、目撃者である男の子の視点で見ていると、父親の秘密や託されたメモのこと、執拗に追ってくる暗殺者の狙いが気になり、一体どんな秘密が明らかになるのか…?と過度に期待してしまうけれど、
途中で原題を思い出してからは、ただひたすらにスリルを楽しんだ。

それぞれについてそこまで深く描かれていない分、登場人物たち誰の視点で見てもハラハラドキドキする。やるかやられるか、観ているうちにだんだん細かいことは気にならなくなって、手に汗握りっぱなしだった。
映画館で観て、サクッと面白かった。ただ、命を失った者たちの最期の惨さよりも、このサバイバルで助かった側の方がこの先地獄だなぁ…と思ってしまった。

山火事の収束についてはかなりスピーディに描かれていたのでややあっさりした印象を受けつつも、スクリーンに映る燃えさかる炎は凄まじく、息がしにくい感覚になったり、熱さまで伝わってくるような気がしたりした。

この間観た『トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャング』といい、悪いニコラス・ホルトがかなり好きかもしれない。目が綺麗すぎるからか、やっていることは残酷非道なのに、どこかに理性や正しさが潜んでいるのではないかと信じたくなってしまう。
主演のアンジェリーナ・ジョリーを始め、豪華キャストたちの演技や各キャラクターの恐ろしさを堪能した。コナー役のフィン・リトルくん、とても良かった。
九月

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