タイトルが高尚っぽいしよくわかんなかったらいやだけどドライブマイカーおもしろかったしなと見に行ったやつ。
めちゃくちゃおもしろい。見るまで知らなかったけど３つの短編からできてる映画だった。
第一話。ぐみちゃんのスパークする始まり感に対するちょっとした居心地の悪さと妙なスリリングさ。案の定車がUターンしてやな感じゾーンに突入してからはにこにこしながら見ていた。あの嫌そうな表情の中島歩とか最高。吐きそうとか言っちゃうのもそりゃそう。あとあの急なズームなんか最近見たなと思ったら逃げた女だ。芽衣子の服もよかった。ああいう格好でああいう恋愛スタイルの人いる。けど変わっていかないものはないよなとも納得のラスト。
第二話。中盤まではなるほどやや下世話な人間の業とかしょうもなさをそれでも人間の味として魅力的に描くやつっぽいな了解って感じで見ていたんだけど、瀬川の演説に動揺。1話目の芽衣子の時も動揺はあったけど2話目のは急に来た。瀬川に言われると余計にぐっとくるド正論。とはいえボイスメモ画面そのものを見せられても録音されてるとは思いもしない瀬川先生のかわゆさと明らか様子のおかしい拝聴態度とか、佐々木のような人がなんだかんだでしれっと編集者になったりするんだなと知りもしないありそうさなども味わえてとても楽しい。
で、なんとなくこの短編集を見る角度を少しずつ変えながら見進めていっていたら第三話で決定的に打ち込まれた。
偶然というか偶然未満ですらある関係の上にフリをすることで成り立つ人との関わりのありがたさと美しさよ。そこにだけある真実の強さ。なんちゅうものを見させてくれたんやって感じ。あの2人の会話でうっ、泣いてしまうとがまんしていたら隣のお客さんがめちゃくちゃ泣きだしていた。河井青葉同様こっちももう心燃え立つものがなくなった苦しい世界に生きているが、ときどきこうやって援護が来るからまだ生きてられるような気持ちになる。素直なので。
たぶんなんかレベル高い製法で作られてんだろうけどそんなことはわからない自分が見ても普通にめちゃくちゃおもしろい。見れてよかった。
