しょうた

秘密の森の、その向こうのしょうたのレビュー・感想・評価

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)
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少女たちはいくつくらいだろう、9歳くらいかな、と思いながら見ていた。人の性格はほぼ10歳までに形成されるというから、その一歩手前くらいかと。すると二人は8歳で、一人は9歳のお誕生日を迎えるところだった。
なかよくなって一緒にクレープを作るところの無邪気さ。演じた二人は実の双子の姉妹とのことだが。
森で出会った少女は幼き日の母だった。母が日常で示していた屈託が、幼児期への退行によって治癒されていく。心理学的には正当な、しかし現実には難しい状況がファンタジーの中で具現化する。やがて少女は母親と出会い直し、自分自身を見つめ直す。ぼくも自身も映画を観ながら、けして叶わない「子ども時代のやり直し」ということをぼんやり考えていた。
シリマの音楽の使い方のセンスは今回も絶妙で、束の間どこか遠いところに連れて行かれるようだ。
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