キャラクターの内にある孤独を映すのが上手い監督と理解していたが、その面で最骨頂の作品だった。
燃ゆる肖像と同じくほとんど音楽を入れずに、ありったけの自然の音と会話が心地よく。スローテンポなシンセサイザーも前作に引き続き好き
8歳の2人の言動一つ一つに癒されながらも、ハッとさせるような大人びた表情が時たま現れる。「家族はいつもそれぞれ何かを考えている感じ。」こういう家庭で一番気を遣いながら色々考えているのは大抵子供の方なんだよね。
過去作品から現実に近いワンシーンを切り取ったような映画かと思っていたが、意外にもフィクション要素もありの70分だったので一瞬の体験だった。ラストシーン母のことについてもっと聞きたかったが、考えさせる余白だな。車で後ろから手を回すシーンから始まり、お互いを本名で呼び合いハグするシーンで終わって。なんて良い映画!ってなった