完璧に自分の理想に応えてくれるはずのアンドロイドと暮らす実証実験に参加した研究者アルマと、アンドロイドのトムとの生活を描くストーリー。
トム役のダン・スティーヴンス目当てで鑑賞。
ドイツ映画ということで、ドイツ語を話して演技をしているのが新鮮。
ラブストーリーであると同時に、生き方や幸福について考えさせられる哲学的な作品でもあった。
プログラミングに従いつつあくまでもアルマの幸福のため動くアンドロイドのトムが健気。
一方で、恋人探しのためではなく研究費のために実験に参加したアルマの態度は傲慢と言うか、自分勝手に感じてしまった。
が、思うところあって再鑑賞したら、見方が一変。
最初は「トムを機械扱いするアルマ、もっと優しくしてあげて……」だったのが、後半ではアルマが賢いからこそアンドロイドと暮らし機械を利用する未来の辛さが分かるんだろうなあ、というのが分かって涙……
そんなアルマの選択を受け入れつつ、アルマが自分に会いに来てくれるのを待つトムの姿も切なくてこれまた泣ける。
人間目線で観てもアンドロイド目線で観ても切ないけれど、人とアンドロイドでありながら2人の縁を感じさせる場面もあり、ラストは何とも優しい。
単純なロマンティックコメディとは違う、考えさせられる部分があり心に残る恋愛映画だと思う。
