あまのうずめ

さよなら、ベルリン またはファビアンの選択についてのあまのうずめのレビュー・感想・評価

4.1
1931年ベルリン。ヤーコプ・ファビアンは32才、タバコ会社のコピーライターで作家志望。夜はいつも出歩いている。親友ラブーデの論文提出に付き合った後、ラブーデは遠距離の婚約者に逃げられたとファビアンにこぼす。クラブで会計係の女性に恋をし話しかける。彼女はコルネリア、映画会社で契約部門の見習いをしながら女優を目指している。
コルネリアを送ると自分と同じ下宿だった。

▶︎時折入るナレーション、コラージュ画面、新聞の見出しのアップが効果的に使われていた。画面サイズが小さいことも意識的だろう。手持ちカメラの撮影、粒子の粗い画像も多用されデカダンスのベルリンを表すのにマッチしている。

ファビアンとラブーデ、コルネリアの広く言えば友情と恋愛の物語だが、ファビアンを近距離で見つめる彼自身に迫った物語だ。心優しく道徳的なファビアンを眩しく温かく見つめる自分がいた。

好きなセリフやシーンも数多いが、駅で母を送ったエピソードは特に好き。3時間という尺も長く感じ無かった。

観ないといけない映画が溜まっているのに、原作に強く興味がそそられポチろうと思っている。近年無かった現象。『邦題』これでいいの?