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Symbiopsychotaxiplasm: Take One(原題)
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『Symbiopsychotaxiplasm: Take One(原題)』に投稿された感想・評価

Shaw

Shawの感想・評価

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脳内パラドックスで頭爆発しないよう注意。映画撮影クルーとそのクルーを撮影するクルーとその二つのクルーを撮影するクルーと、って入れ子構造になってる超絶メタなドキュメンタリー。

とにかくまあ、カメラを通し仮初の現実を創り上げ記録し切り貼りするという行為の秘める無限の可能性に圧倒される、そういう感覚。なにが現実で、なにがそうでないのか。

我々は無意識的に映画の凄さを感じ取っているが、それが何なのか、本作は論理的・実験的に炙り出し言語化しようとする。頭でっかちだが確かに興味深い。Take 2½も見ると思う。
moto

motoの感想・評価

4.2
架空の映画を撮影して、そのクルーを撮影するクルーと、さらにその撮影現場全体を撮るクルーが存在する構造。整然としたマトリョーシカ的構造ではなく、編集というプロセスを経ているため、時にはその3視点が同時に画面上に並列される時もあれば、架空の劇中劇である男女の痴話話をクローズアップしたり、ギャラリーを制止するクルーや、グリーヴスのヴィジョンに戸惑うクルーたちへとフォーカスが自由にスライドを繰り返すため、純粋な入れ子構造は徐々に溶解する。そして観測スケールを問わず、この作品の「参加」するすべてのアクターは編集によって一つのネットワークの中に編み込まれる。ここでの「参加」とは主体的意思によるものではなく、複数のカメラに捉えられてしまった者たちのことを指すのではないだろうか。

映画、少なくとも劇映画自体は、脚本が存在し「仕組まれた」事象を映し出すが、事実は仕組まれていたとしてもアクターは挿入されたノイズ(物理的にも、概念的にも)に反応し(時には戸惑い)、事象を紡いでいく。
(ここではマイルス・デイビスの演奏が挿入されているし、同時に機材によるノイズも処理することなくあるがままに観客に提示している。)

こうしてみれば、即興自体もそもそも(「何か」を挿入することを企てた時点で)仕組まれたものだとは思うが、純粋に「自然な状態」などそもそもあるのだろうかという疑問にも行き着くだろう。他人の目線を気にしたことはないだろうか、あるいはその場の空気を意識したことはないだろうか、ないしは自分自身をまた離れたところから「客観的」に見た「目線」を気にしたことはないだろうか。その時点で見られているのであり、見えない何かに「仕組まれ」、即興劇を日常で演じているのにはすぎないのか、と。ここではあえて、架空の、でたらめな、「脚本のある」劇中劇を撮影し、その劇構造、事象の構造のレイヤ間の横滑りを提示したというのは反証的で極めて巧みだなと思った。

そんなこんなで、この映画(???)は事象と「観測」の構造と、その「あってないようなレイヤー」を自由に行き来する奇妙な体験へと誘っている。
時代が追いつけなかったドキュメンタリー