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ボーはおそれているのhonobonのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
3.8
「何を見ているんだ…!」が正しくアリ・アスターに賛辞を贈ることができる感想なんだろうな、と。

『空飛ぶモンティ・パイソン』…否、
『未来世紀ブラジル』のような夢の物語。
作品の構造を考えていくほど頭がぐちゃぐちゃになるし、何も気にせずにいると変な展開の連続に胸焼けに近い時間を明るくなるまで過ごし続けるのかもしれない。

ボーの見ている世界をそのままに近い映像は全てにおいて不安でしかなく、被害妄想(というと夢とは?になるが)の具現化だったり、そうなったときの人間関係は他人が理解できるものではない。それの連続だから「何を見ているんだ」となる。

実家に帰るまでの道中に出会う人達はボーに手を差し伸べているのか、そうではなかったのか。
ドゥニ・メノーシェの彼はどちらなのか明らかではあるが。登場した途端、「へ?」ってなってしまった。

ラストのシークエンスまではなんとかこじつけるように整理することはできても、さて。ラストの光景はどう解釈しようか。あそこでやりくりする必要性に想う「なんだコレ」は本当にシュール過ぎて、あの場の"もうえぇわ……"って雰囲気もついていけないからこその恐怖というものが余韻として残り、ボーと同じような感情で場内が明るくなっている。

こんなところでぼかし事情を考えるとは思わなかったけれど、そもそもR18+とR15の違いはあるか。
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