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ボーはおそれているのhi1oakiのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
4.0
夢を見ていて何をしてもどう足掻いても悪い方向に転ぶ。そんな嫌な夢が覚めてくれない。そんな感覚をずーっと味わえる鬱々コメディ。
それをアリ・アスターが撮ってるんだからもう極上の不快さですよ。
物語としては『ヘレディタリー』や『ミッドサマー』の方が好みなんだけど、今作は『骨』でアリ・アスターと組んだクリストバル・レオン&ホアキン・コシーニャ(『オオカミの家』!)と本格的に長編映画でコラボレーションしているという事もあって、それはそれは贅沢でチープ(いい意味)な悪夢を観せてくれる。3本くらい映画観た気分(疲れるという意味も含め)になるので、『オオカミの家』ほどではないけれど、体力的にも精神的にも元気な時に観ましょうね。

サンドバッグの如く叩かれ続けるホアキン・フェニックス演じるボー。身も心もボロボロになっていく様が見事。ホアキンだからギリギリ笑って観れる絶妙さ。
もしリバー・フェニックスが生きていたら、彼もこんな俳優になっていたのか?その場合ホアキンはどんな俳優になっていたのか?最近の『ジョーカー』や『ナポレオン』等のホアキンの超絶パフォーマンスはそんな事を考えさせられる。
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