子育てに見返りを求めちゃ、ダメ。
血筋の呪い、恋人の呪いと来て、今作は母子の呪いについて、ですかね。
扱っているのはマザコンについてのような、子育てについてのような。
それと同時に扱っていたのは人間固有に持つ相反する気持ちについてでしたね。
愛してるのに傷つけたくなる衝動のような。
好きなのに憎しみを抱いてしまうことのような。
狡猾だからこそ鈍い反応をして周囲に助けを求めるような。
そういう意味ではボーの印象は鑑賞開始直後と鑑賞後ではガラリと変わってしまう不思議。
これはホアキンの演技力のあまりの高さによるものでもあるし、話の持っていき方が上手いアリーアスターの手腕によるものでもあるような。
なんにしてもとりあえず言えることは……
そんなボーを断罪するほどに罪を犯したかしらお母様……(困惑)
聞いてると終始母親の言い分としては「私はこんなにあなたを子育てするのに苦労したんだからお返しに私の事も愛してよ！！！」のような。
でもボーとしては一応ちゃんと愛は返していたようにも見えるし、でもそれに反してぞんざいに扱っていたようにも見えるような気は確かにする。
でもだからといって(個人的解釈だけど)息子を自分の事業の実験台？のように使っていたのは普通に犯罪スレスレなのでは...？とも思うし。
でもあれは本人の了承があったのか...？
なんかその辺はちょっとわかりにくかったのは残念なところ。
とりあえずそういう親子のすれ違いを描いていたような気がする作品でしたね、多分。違うかな。なんか自信なくなってきたわ。
途中の息子を亡くしたからこそ駆られる狂気も描いていたのはまたアリーアスターっぽい。
いることによる苦しみを描けば、それに対していなくなった苦しみ、狂気も描くのはさすがとも思える。
でもだからといってあそこまで狂うものなのかしらね。わからん。
こればっかりは実際に自分も親となって子供作って亡くさないとわからないですね。
親のいない道もボーにあったかもしれないと見せかけて、いやお前性病やんと突きつけるところは普通に可哀想。
てか全般的に普通に可哀想、ボー。
いくら子供時代に親をぞんざいに扱っていた、のかもしれなくてもそこまで苦しませなくても...とも思う。
てか普通にちょっと引いたわ。
可哀想。
とはいえ映画自体は普通におもろかったし3時間あっという間やったし、やっぱりアリーアスター大好きっすね。若干引いたけど。
こういう変態監督は無くしてはならんで。映画界はこれくらいもっとおもろくないと、な。
でも人には強く勧めないですね。
そういう映画でした。
ありがとう。
