今日も喉が痛い

ボーはおそれているの今日も喉が痛いのレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
3.9
アリアスターがユダヤ人あるあるコメディを撮ったと聞いて、これはコーエンの面白いやつ『シリアスマン』と似たようなお話なんだろうと思いましてね、その時に確かこれはヨブ記なんだよって話があったのでこれは仕方ねぇ読むか!と思って一文字も読んでなかったんですが、このタイミングだ!といい機会だったので聖書に手を伸ばしました。

聖書はエホバの証人のおばちゃんと喋ってたらなんかくれたので本棚から引っ張り出してきてですね、まずヨブ記どこ?!から始まるんですが、そこから話を始めると長くなりそうなので端折ります。
読みはじめたはいいんですが、途中から友人3人と弁論大会始まるんですよね。そこはもう、知らんがな!と思って飛ばしたので、結果的には最初と最後だけちゃんと読むという暴挙に出たので理解は出来てない気しかしません。

さてヨブ記ですが、確かに酷い話で全財産の剥奪、10人の子供全員死亡、健康の剥奪、妻の離反。これ全部サタンがエホバに「このヨブっていう善人の財産なくなれば神を呪って“神なんて信じねぇ”って言うんちゃうの?」って言うたらエホバが「ほな試してみよか〜」からのこれですからね。最終的にはエホバが「神様っていうのはさ〜」とヨブに説教タイム始まって「ほな改心しますわ〜」言うたら祝福され、財産を倍にして貰ってなんか知らんけど140歳まで生きたらしい。なにその話?!と思いましたけど、この理不尽さがユダヤ人が重要としている事なんでしょうかね。歴史的にホロコーストもありましたからね。でまぁやっぱり残念なのは今その理不尽をパレスチナにそのまんまやってるわけで、もう狂ってるとしか思えませんよね。と脱線しましたが、この『ボーをおそれている』とヨブ記は酷い話という点は共通してますが、それ以外は別に関係ないんじゃないですかね。という印象です。

ワクワクしながら観に行って観終わった第一感想は、長いし悲惨だし、面白い…のかぁ??というアリアスター好きだとしても疑問符をつけざるを得ない。やりたいようにやらせすぎて晩年の巨匠映画監督みたいな感じも少しする。嫌いでは無いし、もう一度観たら違う発見も出来そうだけど、正直今はそんな感じなのです。
まずコメディと受け取る日本人がそんなにはいないんじゃないか。そりゃ騎乗位死後硬直と屋根裏チンポモンスターみたいなのばっかりだったらただのコメディだったかもしれんが、この異様なコメディを見てて俺は怖かったもん。この怖さの質が毎度ながら厭な怖さで(精神的来るタイプの)この映画のインスピレーションリスト見てたら僕の感覚では『荒野の千鳥足』に近い。笑
リストには載ってなかったけど、終盤の夜ボートは『狩人の夜』っぽいなとは思ったんだけど違うんですかね。

この映画は興行的には相当苦戦すると思う。世界では知らんけど日本では厳しいだろうなと。これが日本でヒットしたら日本は末期的にどうかしてる。笑