颯空

ボーはおそれているの颯空のレビュー・感想・評価

ボーはおそれている(2023年製作の映画)
4.5
母への深い愛と贖罪、焦りや不安、憤り。これら全てを内包したボーの心象風景にピントが合っては次々にぼやけていく。芋づる式のように連想されるものごとが具体性なく絡み合い、カオスという名の空虚を作り出した圧倒的3時間。どこまでも意味がないからこそ、作品を観るときにどこかに意味を見出そうとする癖がついて離れない我々鑑賞者は戸惑うしかない。あんな風な作品は普通作ろうとは思わないし、心のどこかでストップがかかるはずなんだよな。あらゆる表現においてまさに「コントロールが効かない」、タガの外れ方が純粋無垢すぎて直視することを憚られるような圧倒的作品だった。
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