自分には自分の正義が、他人には他人の正義がある
これを劇中ではルールと呼んでいた
そして母は息子に自分のルールを他人へ当てはめても仕方ないと、まあ頑張りましょと、言った
劇中にあったような自分のルールでは信じられないことが、現実にも大小さまざま
でも、それで他人を怒ったり非難しても仕方ない
なぜなら、他人には他人の正義があるから
弁護士がそれを象徴していた気がする
あなたが賠償金を生涯拒否した理由には興味がない
あなたが賠償金を払おうとする前に謝罪の言葉があって然るべきではないかという論拠には興味がない
なぜなら、それはあなたの正義であって、私の正義ではないから聞いても意味がない
そして、私の正義はクライアントを守ること
月並みであるが、人はなぜ生きるか?いかに生きるか?を考えさせられた
他人と比較せず、他人に押し付けもしない、己の価値観を持つこと、
それが誰を陥れたり、自分だけが良い思いをするのではなく、誰かを幸せにすることに繋がっていること
その価値観に従って日々生きることができれば、最高だなと思った
そして、その価値観を持つに至るために、人は学ぶのである
学校の勉強しかり、他人との会話しかり、どこかで価値観を持つに至ったとしても、生涯を続けて学び磨くのである
大それた価値観でなくても良い
身近な家族を幸せにすることだって立派な価値観である
特別なことがなくても、元気で健康に前向きに生きる存在そのものが、家族を幸せにすることに繋がる
以上のようなことを考えた映画だった
以下蛇足
誰の何も解決していなく、明日からも嬉しくもあり厳しくもある日々が繰り返される
でもそこには母子の愛があるという終わり方が秀逸だった
ケイは自らの人生に決着をつけることで、他人の役に立つことを選んだ
その想いも背負って母子は生きていく
あと尾野真千子さんピンサロ嬢役をよくもあんなリアルに演じたなぁ
役者ってスゴイや!