「とこしえの夢」とはかなりテイストの異なる『陰陽師』。前作がミステリ色強めで、チャーミングな晴明像だったのに対し、今作は妖怪冒険活劇で、底の見えないミステリアスな術師・晴明といった印象。前作とはかなーりギャップが強い。マジで完全な別物と捉えて問題なさそう。
しかし、相変わらず圧倒的な映像美で、アクションシーンも遥かに多い。「とこしえの夢」では人の姿をしていた式神たちだが、今作はみんなが知っている鎌鼬や河童、一つ目小僧などなど、まるでかの京極夏彦氏原作の『豆腐小僧』のような、チャーミングでキュートな妖怪たちが、式神として登場。しかも個性豊かなのがわんさかいる。
自分は桜の妖精さんと蝶々の妖精さんがお気に入り。めちゃくちゃ可愛い。
しかしながら、妖怪の出番が多い代わりに、前作で大活躍した博雅は結構空気。うーん残念…、人と妖怪の繋がりを描くのならば、もう少し晴明とコミュニケーションをとってほしかった。
とはいえ、人間サイドのドラマもあり、妖怪との出会いと別れもありで、ボリューミーながら大まかな流れはそんなに難しくもなく、ギリギリ子どもでも観られるような内容だったかな。
どちらかといえば、「とこしえの夢」の方が好き、という結論に落ち着いたけど、どうやらまたまた三作目があるみたい……!?まだ終わりそうにない中華版『陰陽師』シリーズ、頑張れ!楽しみにしてる!