アァーーーーーー

悪い奴ほどよく眠るのアァーーーーーーのレビュー・感想・評価

悪い奴ほどよく眠る(1960年製作の映画)
4.9
やっぱり黒澤明は凄い。

見てないタイトルに手をつけ続けても全く駄作にぶち当たらない。

黒澤明は時代劇バージョンと近代バージョンの2種類が存在しているが、
この作品は近代バージョンの最高傑作「天国と地獄」に匹敵する映画だと断言したい。
内容も似ていて、近代社会のニュースに取り上げられる様な題材をサスペンス方式で展開していく。


日本におけるリアル過ぎる会社の汚職や隠蔽、天下りやワイロ....
難しそうな単語や内幕もある程度の設定だけ理解出来れば30分後から何の難しい事なし。
映画ならではの誇張されたキャスト配置と脚本でトータル3時間近くながら飽きさせない辺りは、前記の天国と地獄同様(こっちは2時間チョイ)「脚本を収めるためにどうしても必要な時間」に感じれるぐらいに無駄なく詰まっている。
先が読めそうで全く違う展開をみせるストーリー。
映像の素晴らしさ。
黒澤明初期作品のラストシーンは決まって一刀両断し余韻もないモノばかりだが、
この時期辺りから懲りだしたのか類をみないラストシーンは驚愕な内容。


三船敏郎演じる西の写真に若干の違和感を感じるものの、その後の解説で5年前の出来事であったことが判明したり、
最後の殺された描写なく説明だけに留める形辺りに時代性を感じてしまうのがマイナスポイントかも知れない。

先の副将軍「水戸光圀公」であらせられる西村晃の演技や立ち振る舞いが今だったら完全に助演男優賞。

これはスゴイ。
アァーーーーーー

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