ブラックボックスのダブルミーニング
飛行機のフライトレコーダーであるブラックボックスと
企業の失態の隠蔽による真実が隠されたブラックボックス
前者のブラックボックスを使って、後者のブラックボックスを暴く物語
鍵となるのは前者のブラックボックスになぞらえて、音と記録されたあらゆるもの
加えて主人公の強迫性障害のような執拗さ
几帳面で冷静な主人公が、過去の飛行機事故の原因究明のミス、ペンをいちいち真っ直ぐに並べる様、同僚の留守宅に窓を割って押し入る、妻のPCから大事なデータを盗むなど、不合理な行動が目立つ
以上の通り、非常に良くできた映画だけど、世間の皆さんより低い点数は以下の理由
カタルシスが無い
飛行機事故により命を失った遺族、隠蔽体質や汚職で巨万の富を築く若きIT長者、この対比と映画の結末から悪は挫かれるので、大いにカタルシスを感じても良いはずだが、この映画からは感じられなかった
おそらく、この両者への味付けは薄く、終始主人公を中心に描かれていたからだろう
主人公は300人の命が、と言うがキャラクターから熱い想いも伝わってきにくい
ずっと独り相撲を見せられている感じが否めなかった