このレビューはネタバレを含みます
・「私が好きなものは、BLであって、安藤くんだよ」
「僕が好きなものは、男であって、三浦さんだ」
このあとの会話も含めて、このシーンが好き。摩擦や空気抵抗をゼロにしない、世界を簡単にしてない。「好き」をLikeとLoveだけでは分けられないし、「ゲイ」だから「腐女子」だから〇〇ともいえない。
・「結婚して、子どもができて、いつか孫ができて、家族に囲まれて死ぬ。僕もそういう幸せが欲しいって思ってしまうんだ」
大きな主語で語ると、色々な違いをひとくくりにしたり、理解しているようで他人事に捉えていたり(=クラスのディスカッション)してしまう。「この人を知りたい」と思って想像していけたらな…と。
「ふつうになりたい」、「バレたときにどう気持ち悪いって思われたくない(=安藤くんが言ってた)」「家族や友人に分かってもらえない」、それ以外の悩み、色々な悩みがある。
・「彼という人が大好きなんです」
三浦さんの演説、好きなシーンのひとつ。溢れるように、振り絞るように紡ぐ言葉。震えながら話す三浦さんと演説を受ける安藤くんをアップで撮っていたので、大勢に向かって話すシーンだけど、ふたりのはなしっていう感じでよかった。ドラマの演出も好きだけど、演台の影で誰にも見えないなかで抱きしめ合っているのも好き。