セックスワーカーが全員犠牲者である、という考え方は女性が性的に奔放であることを許さない父権主義だというのは本当にその通り。
ロマンティック・ラブ以外は認めないという一種の性規範が基になっていることもあるし、セックスワークが議論の争点にすらなりにくい環境もある。スウェーデンでは既に成立している買春を禁止する法律、日本でもSNSなんかを見ていると性搾取を止めるという名目でこの法案を求められていたりして、これはとてもセンシティブな言い方になるけど、まずセックスワークを非犯罪化し、労働者全体の賃金を上げ、ジェンダー間の賃金格差をなくしていくことが必要。
それに、金銭のやり取りが発生している分同意形成が明確化されているので、非犯罪化さえされればロマラブよりよっぽど安全だと思う……。
ついでに、日本の場合は低賃金労働や格差、差別の問題が深刻すぎて、この映画で描かれるようなことが問題視されるまでには何段階もステージを踏んでいかないといけないのではないかという不安もある。
簡単な言葉で物事を簡略化して表現しがちなSNSとは相性が超悪い映画。