シャチ状球体

観察者のシャチ状球体のレビュー・感想・評価

観察者(2021年製作の映画)
2.6
シドニー・スウィーニーとジャスティス・スミスを無駄遣いしているような映画。

向かい合った建物で双方が朝から夜までカーテンを閉めない理由が語られないので導入が不自然だし、トーマスとピッパが向かいのビルのカップルに興味を持つ過程も何だか曖昧。

一方的に性生活を知っている相手と偶然友達になる、というのは確かに他の映画では味わえない背徳感があるけど、隣人が偶然職場に現れるのはいくら何でも脚本が偶然に頼りすぎな気もする。偶然4人がカーテンを閉めない人達で、偶然友人関係になって……この誰にも起こり得ない話に説得力を与える工夫が欲しかった。

途中からはフィフティ・シェイズ~シリーズのような展開になり、いよいよ何が何だか分からなくなる。
ピッパとセブが似た者同士ということに対する伏線がないので唐突に見えるし、この出来過ぎたドラマには一応衝撃的と言ってもいいオチがあるわけだけど、前提の不自然さは最後まで覆らないので結局単に悪趣味なだけ。

もっと多くのモラル、そしてより少ない刺激を求めていたから裏切られたと感じたのかもしれない。でも、この映画にリアリティがあるかと聞かれたら、0と答えるしかない。
シャチ状球体

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