たかちゃん

ライダーズ・オブ・ジャスティスのたかちゃんのレビュー・感想・評価

4.0
エストニア。少女は父親から買ってもらったクリスマス・プレゼントの青い自転車を盗まれてしまう。自転車を失ったため、母親と電車に乗るが事故が発生。多数の死傷者が出る。母親もその一人だった。電車に乗り合わせた学者は、数字を根拠に事故ではなくテロだと母を失った父娘に主張。治安部隊兵士である父親は、学者の仲間(ハッカー)と一緒に証拠を集めると、ライダーズ・オブ・ジャスティス裁判の証人を抹殺するために仕掛けられたことを知る。学者仲間のハッカーの働きで、顔認証システムなどから、犯人を探し出す。父親と学者、その仲間、娘のボーイフレンド、犯人に拉致られていた青年が父親と一緒になって首謀者を洗い出していくが、事態は思わぬ方向へ。
本作は私設警察ものではあるが、一筋縄でジャンルを括れない、どうも珍作というか、つまりコメディ要素が強いのだ。学者の仲間が、娘のセラピストになったり、ギクシャクしていた父娘の仲を取り持ったりするうちに、頑迷な父親と娘の間の緩衝帯になって、復讐譚なのにホームドラマのような温かみのある作品になっているのだ。
頑固親爺のマッツ・ミケルセンは、ポーカーフェイスで、どんなおかしな状況になっても笑顔を見せないのはキートンを思わせる。一線を譲らない娘も学者も、みんなヘンなキャラクター。ラストシーン、翌年のクリスマス・プレゼントの自転車が泣かせる。
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