りょーこ

I ~人に生まれて~/人として生まれるのりょーこのレビュー・感想・評価

2.5
台湾産インターセックス啓蒙映画

繊細な問題なのに放り投げて終わってるのがなんとも勿体なかった。

考えるきっかけにはなったけれど、これじゃあただの思春期映画と同じになってしまって惜しい。

さらに出てくる大人のIQが低過ぎて、義務教育受けてるのか心配になるレベル。

映画用のキャラならまだ良いのだけど。



ある日、血尿で病院に行った少年シーナン。

検査の結果、男女両方の生殖器を持つ先天性の性分化疾患と判明する。

医師によると染色体は女性のため、女性になるための手術が必要とのこと。

それを両親は、子どもだから判断は難しい、可哀想、としてシーナンに真相も告げずに手術をさせてしまう。

目覚めたら突然女性の身体になっていたシーナンは当然混乱。

それでも違う地で女性として、なんとか生きていこうとするのだが……



珍しい疾患だ!うほ!と、手術や学会での発表しか考えていない成金医師

ウチの子がオカマだったなんて、孫の顔は拝めないのか、店を継がせられないじゃないかと、全てにおいてズレた感覚しか持ち合わせていない両親

誰もシーナンのことを真剣には考えていないのだった。

さらには女は結婚するもの、子を産んで家事をしなくては!と、部屋をピンクに染め上げていく母親の考えには鳥肌が立つ。

これ本当に現代の話???
考え方が戦前。
台湾ってもう少し発展した国と思っていたのに。

そんなこんなでイライラムカムカ胸糞MAXで、ラストに何かあるだろうと期待していたら、え…?ってオチ。

インターセックスについても、シーナンがひたすら猫背で鬱々としているのみなので、いまいち特有の悩みとか性別変化による違いとかが見えてこない。

見せたいモノは分かるけど演出や脚本が稚拙で勿体ない作品ですね。

ドキュメンタリィとか当事者の本とか読んだ方がきちんと理解は出来そう。
りょーこ

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