ハル

Ribbonのハルのレビュー・感想・評価

Ribbon(2021年製作の映画)
3.9
舞台挨拶にて。
コロナ禍によって催し全てが中止になり、荒んでいく美大生イツカ(のん)
やることがなくなり、暇しかない。
その中で漠然としていたやりたいこと、やるべきことを模索していく流れ。
その果てに自身を見つめ直し、そこからの再生を描く物語。

シリアスなテーマの中に家族とのコメディタッチの会話劇を織り交ぜながら、テンポよく話が進んでいくので観ていて心地良い。
こういう作品は好きだなぁ。
作中に流れてる空気が優しく、リラックスさせてくれる😊

ちなみにこの作品、驚くほどなにもおきない。
イツカが家族と話したり、友達と話したりする描写のみで始まりから終わりまで完結していく。
ただ、その中に感情の起伏が何度も巻き起こり、心の機微が見え隠れするのがポイントであり見どころ。

学校や仕事への影響が色濃く、壊れかけた皆の生活。そういったコロナ禍への怒りを、イツカやその周りの人達が『表現』という武器を使って身体全体で叫んでいた。

シーンが切り替わる時、自然とのんに目を奪われる瞬間が幾度となく訪れる。
ワンショットで抜かれ、朝の光に照らされる寝起きの表情。
トップクラスの容姿を誇る事がよく分かり、見目麗しいとはまさに彼女の事。特別なファンでもないんだけど、不遇の時代を乗り越えた精神力や持って生まれた素養の素晴らしさには見惚れてしまう。
まぁ紆余曲折があったから監督としてデビュー出来たのかもしれないし、人生いろいろだね。

あ、そうそうキャストでもう一人印象に残った方が。
それは、渡辺大知君。
存在するだけで癒やされキャラ枠で出ています。
どれだけ出てるの?ってくらい本当どの作品にもいるし「またいる!!」と思わず言ってしまった。
イツカの家族も魅力的かつ個性強めでファンキーだったし、登場人物達に素敵な魅力が詰まっているのもこの作品の良い所。

〜ここからは余談、鑑賞マナー編〜
鑑賞回は舞台挨拶+朝早めの上映とあって、上映後に入ってくる方がとても多かった。
座席間が狭いという悪条件も重なり、左隣のオジサンは人が前を通る度に「ザケンな」と激おこ。
逆隣りの女性は何度も舌打ち。
挟まれた僕は何も悪い事をしてないのに、なんだか居心地が悪くなってしまう💦

でも、気持ちはわからなくもないの。
特に酷かったのは暗くて席がわからないからか、5分位ずっとウロウロしちゃう人。
狭い劇場だとスクリーン全部が見えなくなっちゃうからさ…

マナーって人によって基準が全く違うから難しい問題だと思う。とはいえ、互いにちょっとした配慮があれば揉め事は回避できるはず。

あとから入ってくる人は少し屈んでスクリーンにかからないようにする、或いはきちんと入り口の座席表で座席位置を確認して迅速に座る。
今日の映画館に関しては狭い&段差があるところなので普通にスタッフが誘導するべき。
舞台挨拶などイベントの際、他の劇場ではそうしているシーンを多く見かけるし、切に改善してほしい。

今回のは一例だけど、スマホ問題含め残念に感じる機会が増えていたので、ちょっと思いを綴ってみました。
皆さんは最近の劇場鑑賞マナーについてどう思われていますか?
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