ちりぽり

テーラー 人生の仕立て屋のちりぽりのレビュー・感想・評価

テーラー 人生の仕立て屋(2020年製作の映画)
3.7
16の時から父親にスーツの仕立てを仕込まれて、それからずっと親子でやってきた仕立て屋の店。
時代の波に押されて、とうとう商売は立ち行かなくなり、父親も年老いて入院してしまいます。

もういい年になった息子は独身で、たった一人、父親と丁寧に築いてきた店をなんとかしようと考えます。

まじめで、冷静で、丁寧で、優しくて、仕立ての腕は確かな無口な息子。

彼のどんな仕草にも物に対する愛情が感じられ、見ていてとても穏やかな気持ちになりました。

何をするにも、スーツを仕立てるときのように一針一針丁寧に。
慎重に生地を選び、着る人に合わせたデザインを考え、体にしっくりと馴染む服を作るうちに、人や物への愛情を育てていったのでしょう。

お隣さん一家との交流が、いい塩梅の味つけになっていたと思います。

万歳🙌、とまではいかないけれど、どこもかしこもなんとなくバランスがとれたというか…。
こうやって折り合いをつけていくことの繰り返しなんでしょうね、人生は。
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