記録
【English】
友人と鑑賞。
約2年ぶりに再鑑賞。2年も経てば流石に視点も変わり、味わい方が変化していた。好きな映画であることには変わりは無いが素晴らしい映画かと問われると、果たして安易に首肯していいのだろうか、とも考えるようになった。
それぞれ独立した物語軸が並列的に進行し、ある場面において収束するという(初期)ガイ・リッチー的な脚本はやはり面白い。その収束点における物語の連鎖、軸同士の作用が臨界点を迎える時に我々は快楽を覚える。しかし、この形式ゆえに多少なりとも物語が複雑化しており、増えてゆく登場人物に我々は戸惑う。おそらく、初見では中々掴みきれないところがあるのではないだろうか(俺自身そうだったし)。正直、脚本の味は2回目以降の方が深みが出るのではないかと思われる。
改めて鑑賞して、ガイ・リッチーの演出は幼稚だし、編集も稚拙だということが分かった。しかしまぁイキリを徹底的に突き通すと、オシャレでカッコイイという領域にまで踏み込んでしまうのは面白い。洗練されているとは口が裂けても言えないが、このフィルムに宿っているテンションは中々のものだ。たまに見かけるような上昇志向的なテンションとは異なり、ハナからケツまで常にイキっていることで、ある種独特な雰囲気が生まれている。これを作家の個性と呼んで片付けてしまうのはどうかと思うが、手っ取り早いのでそうさせてもらおう。
本作で最も素晴らしいのは英語の使い分けだろう。イギリス英語にアメリカ英語、そしてパイキーのクソ訛った英語、それぞれの違いがよく分かる。それだけで誰がどういう人物であるかが掴めるため、登場人物把握のためにも役立っている。
脳死で観る分にはめちゃくちゃ楽しいし、脚本の映画としてもめちゃくちゃ面白い。技巧より創作意欲が先に溢れ出てしまった感はあるが、これだけ創りたい!という気持ちが溢れた映画も珍しく、一見の価値がある。
2023,23本目 1/20 DVD
2025,3本目 1/5 DVD