ひれんじゃく

天使と悪魔のひれんじゃくのレビュー・感想・評価

天使と悪魔(2009年製作の映画)
3.9
ダヴィンチコードを見たことがあったので鑑賞。ところどころのショットが決まりすぎてて(ひとつ目の謎解きの時くらいに悪魔の顔を持った天使の像が陰影の中から浮かび上がる、カメルレンゴがあれこれあったあとに煙突から白い煙が立ち上って次の教皇が決まるシーンなど)すげ!!!すご!!!音楽良!!!!!とバカみたいな感想しか出てこない。キリスト教は旧約聖書と新約聖書を齧りとった程度なんで………美術の知識もあれば更に楽しめそうとは思った………
以下ちょっとネタバレ。



















 前のシラスに関しても思ったけど、今回のカメルレンゴも自分の信じる思想のために躊躇なく人を殺すのが本当タチ悪いなと。途中で出てきた殺し屋みたいに金のために行動するんだったらまだ止めようがあるけど、科学を否定して神と教会の立場を守るっていう思想そのものを止めるってもう無理ですもんね………底の知れない不気味さがまたまた顔を出してきててああこの人も狂信者ね!!!!!!となる一方でその純真さやひたむきさも目の当たりにしてしまってどうしたらいいかわからなくなってしまった。人を傷つけさえしなければとてもいい考えなのにね……でもなんだかんだでカメルレンゴが直接人を殺していたシーンはなかった気もするし、むしろ自分を傷つけて相手を排除してた感があるので直接手は下していないんだよな…タチが悪すぎる…………カメルレンゴは科学を何もかも教義の裏付けに乱用する、創造科学的な強引な考え方すらできないほど純朴な信者とも言えるのがまた…
 しかしなんだかんだ言いつつ前作に引き続き「古いものに縋ってそれをずっと維持し続けようとするものは悪!!!新しい風を取り入れたり、それと融合したりして受け入れる柔軟な姿勢が善!!」みたいな姿勢が透けて見えて説教臭さを感じるなど…………気持ちはわかるけど、古いものが必ずしも悪ではないよね……しかも悪役は皆その古いものを信じるに至った背景だってあるわけで……それを全否定しないでください…という思いも抱いてしまう。全否定まではいってないのか…??音楽と色合い、ショットの決まり具合は相変わらず最高でした。
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