このレビューはネタバレを含みます
家族のなかに一人だけ健常者という物語の設定がなかなか新鮮だった。
前半は聾唖の家族たちに頼られすぎて犠牲になってしまうルビーの姿が不憫でイライラ。それでも自暴自棄にならず家族に愛想つかすこともなく夢を諦めようとまでするルビー、健気すぎる。
コンサートの演出で初めて健聴者の世界とルビーの家族たちの世界との深い分断を体感したと同時に、それまで家族と共に閉じこもりがちだったルビーが歌を通じて外の新しい世界に飛び出していったんだな、とたぶんお父さんがあの瞬間感じたであろう気持ちを体験することができた。
受験のシーンで手話を交えながら心を込めて歌うルビーと見守る家族の姿に、それまで健聴者のルビーと家族たちを分断してきた歌が、2つの世界を繋ぐ架け橋になったんだなぁと感じて涙。
宮本亜門みたいなV先生も良かったし、甘酸っぱい初恋も微笑ましいけど、マイルズとの遠距離恋愛はもってあと半年だな、と予想。