小西

コーダ あいのうたの小西のネタバレレビュー・内容・結末

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

キーラナイトレーのはじまりのうた
シングストリート 未来へのうた
この辺りがお好きな方は、たぶんどハマりする映画。主人公とデュエットする事になる青年は、シングストリートの主役だった方らしい。

前評判でびっくりしたのが、”あいのうた”という題が倖田來未の歌を連想するって言ってる方がいて度肝抜かれた。私がもしその副題で連想するとしたら、yen town bandの方なんだけど。私が歳なのか…。

主人公はろう者の親をもつ18歳の女の子。彼女の葛藤と希望を描いたストーリー。
私は開始前に慌てて買った紅茶を一滴も飲まないまま、気づいたらエンドロール。ハンカチで顔を覆い嗚咽を堪えていた。
こんな映画は久方ぶりだ。コロナの感染が再拡大するなか、危険をおかしても観て良かったと心から思えた。

インテリでちょっと感じ悪いのに、めちゃくちゃ人の良いMr.V。口は悪いけど、家族に惜しみない愛情を注ぐパパ。”ケンカは他人とやれ。家族は仲良く‼︎”←なんでだろうこの言葉がすごく力を持って聴こえた。同じく口の悪い兄も、ビチビチビッチな親友も、毎日おっぱい半分見える服着た母ちゃんも、ちょっとナヨナヨしたボーイフレンドも、みーーーんないい味だしてるのよ。素晴らしい。無駄なシーンなんて1個も無かった。

興味深かったのが、手話がわからなくても言葉が伝わってくるシーン。主人公が操る手話がダンスみたいにみえる瞬間があって。それが音符と絡まって、旋律にのって音楽となった瞬間めちゃくちゃ感動した。
すんばらしい。ブラボー。
幸せの絵の具以来、久々にパンフレットを購入。Hidden Figures邦題ドリームのファレル以来、久々にサントラ注文しましたとさ。帰りの夕日がやけに目にしみたぜ。

[追記]
パンフレットを隅々まで読み進めた。
パパ役のトロイ・コッツァーさんの項
“この映画をきっかけに、いくつかの扉が開かれてみんながもっと偏見のない心を持てるようになればいいと思います。この作品は、聴こえる人にも聴こえない人にもみんなに訴えることのできる作品です。”

“私たちの望みは、自分とは異なる人たちにも結びつきを感じ、もっと知りたいと好奇心を持ってくれること。そしてもちろん、映画を楽しんでくれる事を願うよ!”
だそうです。どこまでも目頭熱くさせる映画よ。

この作品の伝えたかったことってたくさんあるんだろうけど、Both sides nowの歌詞みたく、私はこの世界を覆う薄い膜のようなものを色々な角度から眺められるようなふわふわな人になりたいなって思った。
小西

小西