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コーダ あいのうたのmmsanのネタバレレビュー・内容・結末

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

冒頭から軽快な手話での会話がバンバン飛び交って楽しい。ユーモアいっぱいで下ネタも結構入ったりして、すぐに陽気なロッシ家族が大好きになった。ただ家族で唯一の聴者であるルビーに依存してしまっているのは明白で、ルビーが母親のジャッキーに合唱部に入部したと告白するシーンで、ジャッキーが反抗期なのねと返すくだりにズンとくる。好きなことを共有出来ないこと、そのことによってルビーが遠くに行ってしまうような感覚は想像に難くないし、家族とルビーの間に横たわる葛藤に胸が苦しくなる。ルビーのコンサートのシーンで歌のパートが無音になる時、家族と一緒に、こちらもルビーの歌声を想像する形になる。周りは笑顔になったり、感嘆の表情で見つめたり、涙したりして、ルビーの歌声の素晴らしさを感じる。その時の父親フランクの曖昧な表情の意味が分かる。だからこそその後にルビーの歌声を喉に手を当てて聴くシーンに胸が熱くなる。コンサートでのルビーの幸せそうな表情を見たら絶対にそれを守りたいって思うし、その気持ちに正直に、家族みんなでルビーを応援する姿に涙涙。
トロイ・コッツァーのユーモラスで情に深いフランクが最高に魅力的で良い!そして作中の曲「You're All I Need To Get By」「Both Sides Now」歌詞もメロディーも素敵で心に響いた。
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