春夏の旗揚げを2時間弱にまとめるなんて土台無理な話なので、物語は爆速で進んでいく。
前後の繋がりやセリフが噛み合っていなくてもお構いなし。
物語の重要人物であるはずの監督(プレイヤー)は、明確な姿かたちが映るのではなく、手とか足がたまに要所要所で部分的に映るのみ。セリフは字幕で声もない。
そのため誰かが監督に向かって話しているシーンでは、キャラが虚空を見つめ独り言を言っているようにしか見えないシーンも多々ある。
あと、とにかく役者の顔を映したいのかやたら寄りのカット(というか顔面ドアップ)が多く、しかもなぜかカメラ目線でまっすぐこちらを見つめてくるのだ。
おかげで何回かスクリーンから目を背けてしまった。
監督の件と言い、この映画のカメラワークは全編にわたってとにかく変なのだ。
他にも、やたら画面が白くて眩しかったり、全く生活感のないモデルハウスみたいな寮のセット、全く中学生に見えないモブ男子中学生が出てきたりとツッコミどころを上げればキリがない。
そもそも映画だから舞台と違って背景とか世界観みたいなのが如実に映し出されるのに、現実の風景に違和感なく溶け込ませようとか、キャラクターたちのデザインに合わせて全体的な美術(エキストラ含めて)を寄せるとか、そういった努力がまるで感じられない。
舞台をそのまま映像化したら映画になるとでも思ったんですか