昭和から始まり、平成、令和と様々な仮面ライダーが登場してきて、それぞれ解釈の違うバックグラウンドの作品が出てきたわけだけど、このシン・仮面ライダーはオリジナルの要素を踏襲しつつも庵野さんの超独自の世界観で描かれたまさに新しい仮面ライダーだった。
正直冒頭から血はバシャバシャ出るし、話は難解だし、子供には全く楽しめない(そもそもR指定か…)内容だと思うが「こういう解釈の仮面ライダーがあっても面白いな」という印象だった。ウルトラマンとは違い、娯楽映画の要素は薄く、テーマからしても本郷猛の苦悩という側面を強く感じた。それでも仮面ライダーのアクション、サイクロン号での変身シーン等、ヒーローとしてのカッコよさを感じる演出も勿論あった。気になったのは主演の池松君の棒読みのような台詞、小刻みにプルプル震えている様子が演技なのか凄く気になった。でも、あの映画での本郷猛としての役であれば全体を通してみると違和感は無かったのかと思う。対して柄本佑演じる2号は何とも爽やかでキャラで、対照的な感じが面白かった。
キャスティングも「シン」シリーズを観てきた人なら思わず「またお前か！笑」と叫んでしまうことうけあいの常連達が多数登場しており、そういうところでもニヤリとさせられる。
全体的に重くダークな雰囲気の作品で中々ツッコミどころも多かったけれど、やはり庵野監督の映像表現というのは他の作品には無い魅力を感じるので一見の価値はありかと。
