トッシー

シン・仮面ライダーのトッシーのレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
3.8
個人的な感想としては
『シン・コジラ』には負けるけど
『シン・ウルトラマン』よりは
面白かった感じ………



メチャクチャ

庵野秀明やなあ…

「仮面ライダー」よりも
「庵野秀明」が
強く前面に出てる
映画だと思いました。

庵野秀明の監督作なんやから
それで当然なんだけど

今回珍しくストレートな
エンタメ的サービス精神が
旺盛なんですよ。

なんたって
アクションシーンが多い。

エヴァンゲリオンのイメージだと
本郷猛の内的葛藤だけで
上映時間の80%くらい
使ってそうなんだけど

バンバン戦いやがるのよ
今回の庵野ライダー…………

121分で
6回戦か7回戦くらいやるからね。

本郷猛と緑川ルリ子の
ショッカー撲滅ロードムービー
要素のおかげで

『シン・ウルトラマン』ほど
ぶつ切りって感じはしなかったけど

もはや、戦ってばっかの印象です。

後、皆が知ってる人気俳優が
バンバン出てくるね。
カメオも多い。

長澤まさみなんて
何でこの役受けた!?
…とか思うんですけど

ある種の性癖保持者には
突き刺さりまくると思うわ。
長澤=サソリ=まさみ。

(やはり変態の気持ちには
聡いのだろうな
庵野秀明………)

…しかし
こう言う分かりやすいサービスは
僕の持ってる「庵野秀明」の
イメージではないんですよね。

…なもんで、
庵野秀明が強く出とる割には
構造的には庵野秀明っぽくない。

慣れないことやっとるなあ…
…って思ってしまった。

ファンと自分が納得する
「仮面ライダー」を
しっかりとやりたかったんやろか?

だから「仮面ライダー」と
「庵野秀明」の間で
ちょっとどっちつかずに
なってしまった印象ですね。

もうちょっと
いつもの庵野秀明で

「仮面ライダー」を
ぶっ壊すつもりで

思いっきりやった方が
良かったかもなあ。

(『シン・ゴジラ』はそれで
成功したと思うんですよね。
まあ、題材自体が
庵野秀明の作家性と
相性が良かったんも
あるんやろけども…)



そして渦中の
アクションシーンですけど

これまた賛否両論ですね。

けど僕、個人的には
結構好きでした。

戦闘員をぶん殴って
血しぶきブシャーーー!!!
…は良かったですね。

初代 仮面ライダーが持っている
暗くて怖い部分

…ある意味ホラーな部分を
十分に活かして
大人が楽しめるようにするには

この方向性のアクションシーンは
効果的で正解だったと思うし。
何より僕は血みどろが大好きです。

ライダーキックも
殺傷力が高いんですよ。

絶対殺す蹴りよ。あれ。

あんな必殺キックは
今まで観たことないもん。
ちょっと興奮した。

ただ、そんな
血なまぐさいアクションも
後半にかけて、
なくなっていくんだよなあ………

やっぱり中途半端…



そんなこんなで
歪で微妙な部分は多いですが

それでも
「仮面ライダー」に対する愛は
しっかり伝わってきましたし

主演の池松壮亮をはじめ、
浜辺美波、柄本佑、森山未來など
メインの俳優陣も好演してます。

好き嫌いがべらぼうに別れる映画!
…だとは思いますけどね

「仮面ライダー」ファン、
「庵野秀明」ファンは
そう言う部分を
織り込み済みでの観賞も
悪くはないと思います!

2023-12
トッシー

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