電気羊

君だけが知らないの電気羊のレビュー・感想・評価

君だけが知らない(2021年製作の映画)
3.7
主人公はビルの墜落事故で記憶を失った既婚女性ということで、最後まで真相が二転三転するなかなかのミステリー。
観終わってから連続で最初から見直すと伏線回収がすごくて面白い。
兄のセリフがいちいち泣けるんだよ。

病院で覚醒した主人公であったが、自分が何者であるか記憶を失っていた。そんな主人公を夫だと名乗る男性が現れ身元を引き受ける。
主人公はときおり戻る記憶が現在なのか未来なのか分からず混乱する。
夫は何かを隠しているようだが、真実を離してくれることはなかった。

そんな主人公の元へ謎の男が付き纏うかのように出現する。
主人公は恐怖に駆られさらに記憶を混乱させた結果、謎の男が自分の夫の殺害犯だと思い込む。

だが、事実は逆だった。自分の身元を引き取り夫だと思っていたのは主人公を幼い頃からずっと守って来てくれた血の繋がらない養子縁組された兄だった。
そして謎の男は主人公を殺害しようとした夫だったのだ。

主人公は夫から仲の良かった兄と浮気しているのでは?と疑われていた。
夫は可愛さ余って憎さ100倍で、借金の方に主人公を毒殺する保険金殺人を計画する。
その現場を目撃した主人公は、夫に殺されそうになるが、それを救ったのは兄だった。
兄は夫を金属棒で殴打し殺害したはずだったが、夫は生きておりさらに主人公への執着を深める。

兄は以前にも主人公が高校生の頃に付き合っていたDV彼氏からの暴力を見かねて止めようとし誤って殺害した過去があったが、その時も主人公に口止めし罪を全て被ったのだった。 

そして今度も異常な夫から主人公を守るために夫と対立するが、最後は主人公が住んでいた高層マンションの居室に押しかけてきた夫が撒いたガソリンに放火され、あわや焼死するところを兄が身をもって庇い、代わりに兄が焼死してしまう。

主人公は、兄が生前、カナダへの転職時に残していた自分への思いを告げたビデオを見て愛の深さに泣きくれるのであった。

愛とは奪うことじゃなく与えることなんだよ。当たり前だけど。
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