ロックストロンゴ

ストレイ 犬が見た世界のロックストロンゴのレビュー・感想・評価

ストレイ 犬が見た世界(2020年製作の映画)
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殺処分ゼロの国トルコ、イスタンブールで暮らす野犬達が主人公の映画
登場するワンちゃんは
いつも単独行動のゼイティン(映画ポスターのわんちゃん)
人懐っこいナザール
子犬のカルタル
(公式HP引用)

今作は日本の少し前の動物バラエティにあった『僕はわんわん!○○が好きなんだ〜!』みたいなクソみたいな嘘吹き替えもなく『ゼイティンはきっとこう思った…この国は荒んでいると…』みたいな勝手なナレーションも無く、ただ淡々と犬の行動や、犬の目のアップで表現されていました。本当に淡々としているし、『物語』がないので、自分が見ていた回で、途中退席した方が居たくらい人を選ぶかも…

この映画で良い悪いでは無く、学んだ事は
『犬の世界』と『人間の世界』は別の世界であるという事。
当たり前の事ではあるけど、映像を通してわかっていくことは、主役犬ゼイティンやナザールはどんなに過酷な状況でも生きていけるんです。彼らにとっては人間はただの別の動物で、
逆に人間側は犬を必要としている。
癒しや、救いの対象として。
ただ、これはトルコのあの『世界』の犬と人間の関係で、アメリカはアメリカ。
日本は日本でまた犬と人間の関係は違うとも思えます。

鑑賞後に思ったこと
個人的には、この映画は評価する事自体が何か間違いだと思いました。
というのも、今作は映画とは思えず、かといってドキュメンタリー映画でも無いと思いました。正直、この作品にお金を払ってゆったりとジュースを飲みながらふかふかのソファで鑑賞している自分に罪悪感を覚えました。なぜかというと、この作品を見ても難民の方々や、トルコのワンちゃんに何もしてあげられないからです。
ただ、この作品を作って頂いた事には感謝しています。なぜかというと、トルコの現実を知れたから…
この矛盾した感情にモヤモヤしながら、
観賞後盲導犬募金と、ウクライナとユニセフに募金した。(トルコじゃ無い…)
結局この行動も自己満足🤔
あと、自分は今作の犬への没入感、親近感が湧きすぎて劇中に出てくる、食べかけの骨つき肉や、ゴミ箱から出てきた骨🦴や、謎の屋台(不衛生そう)のスイーツを見て不覚にも『美味しそう…』と思ってしまい、割と大きな音でお腹を鳴らしてしまいました…

エンディングで謎ソングを歌うゼイティン(犬)の可愛さが救い。。