このレビューはネタバレを含みます
思っていた以上に重かった。
コメディだ、って笑えたのは前半だけで、どんどん胸に石が詰まっていくような息苦しさ、胃のムカつきを覚えてしまった。
予告で見ていたのはこの映画のほんの一部分。見たことあるシーンが終わったあとがこの映画の本番。
単なる世間知らずなお嬢さんだと思っていたゆみさんが、実は一番真っ当で、一番国政に出てほしい人だった。
コーヒーメーカーのシーンは秀逸すぎて、涙が出そうだった。今、思い出してちょっと泣いています。
こんなことじゃダメだろって思った。私たちは誰一人として、誰かにいいように使われてはいけない。自分で考えて動かなきゃ、って思った。
こんな気持ちにさせられるとは、鑑賞前にはまったく想像していなかったので、動揺している。
この映画を観たいと思ったのは赤楚衛二さんが出ているからです。違和感なくこの世界に存在していて、私の推し、今回もグッジョブでした。
しかし何より、窪田正孝さん、宮沢りえさんが本当に素晴らしくて、ぐいぐい引っ張られました。最初、すぐ眠くなってしまいそうだなあなんて思ってしまったけれど、まったくそんなことなかった。お芝居の吸引力がすごい。
多くの人に観てほしい。感想を聞きたい。レビュー読み漁るので、皆さん観てください。
追記
劇場で観ることができたので。
前半は谷口くん目線でゆみさんを笑っていたけれど、あの一件以降は完全にゆみさん目線に移り、谷口くんたち周囲のすべてが恐ろしい怪物かのように思えてくる。トラックの前に踏み出そうとしてしまう気持ちがわかってしまった。視点の移動させられ具合がスムーズ過ぎていっそ監督も怖い。
だからこそ、コーヒーメーカーのシーンがありがたい。やっぱりここでまた泣きそうになった。
谷口くんとゆみさんの今後が見たい。この映画の続きだとすると非常にしんどそうだが名コンビになっていきそうな二人を見ていたかった。この二人が泳いでいられるような水を私が作るんだなって思った。
